〔031〕日光白根山 (2,484m)

標高差:832m

2004年04月30日(当時54歳)


  当初、ゴンドラに乗って楽をしようと考えたが、ゴンドラの始発が9時なので歩いて登る方が早いと考えた。
前夜に菅沼キャンプ場に車を停め車中泊とする。
昨夜から今朝に掛けて沢山の車が集まってきた、ジジババグループに道を塞がれるのが嫌なので早々(6時)に出発する。 気温−1℃であるが風が無いので寒くはない。 登山道入口から1m近い積雪、最初からアイゼンを付けて臨む。 無積雪時には遊歩道と思われる平坦な林を進むと谷間の道となり勾配がきつくなってくる。 谷間の両側からは石が音をたてて落ちてくる、かなり大きな石も落ちているので両側に目を配りながら落石地帯を急いで抜ける。 徐々にアイゼンも効かない勾配となってくるので硬く固まった残雪に靴先を蹴り込んで踏み場を作りながら登る五色山の尾根筋に出ると眼下に五色沼が見え出す、右には白根山が高く聳えている。
尾根を下ると1時間半で五色沼に着く。 当初、阿弥ガ池に出るはずだったのでコースの間違いに気付くが、
このまま周回コースを行くことにする。

  1時間50分で避難小屋を通過、白樺林を抜けると雪の壁が待っていた。 踏み跡がいたる所にあり、どこが登山道か判らない。 登るに従い勾配がドンドンきつくなり、一歩一歩、足場を作りながら登りとなる。
もう少しで尾根筋に出られる寸前で足元が崩れ100m程を滑落、幸い岩と立木を避けることが出来て大事には至らなかったが、再度の登り直しがきつかった。
相棒より20分位遅れて尾根筋にたどり着く、薄氷が張った小さな池を回り、小さい鞍部に降りて岩場を山頂へ登り直す。
3時間10分で山頂に着く。 山頂には後から出発した駐車場の住人が先に着いていた。 阿弥ヶ池のコースで来たらしい。 山頂からの展望は最高であるが昨日程の大気のクリヤーさが無い。 一緒に駐車場を出発した65歳の元気じいさんが登ってきたので、一緒に写真を撮る。
下りは阿弥ヶ池側とするが、こちらも相当の急登で所々に小さなアイスバーンがあり注意に注意を重ねて下る。気温が上がり出し、表面の雪が融けてきたのでズボ足が多くなり膝を捻挫しそうになる。 下りを飛ばしまくる相棒に着いて行くと1時間20分で下山を終えてしまった
駐車場横の登山口から1m近い残雪、軽アイゼンを付けていくが、
軽アイゼンでは役に立たないことがこの後判る。
登山口の駐車スペース、この下のキャンプ場の駐車場にも
数台の車が来ていた。 混まない内に歩き始める。
落急斜面を頑張る65歳のベテランじいさん。
谷筋に入るまでは穏やかな道(?)を進む。

谷間に入ると登り斜面がきつくなってきて、軽アイゼンでは
苦しい状態になってくる。

振り返るとすばらしい景観が見えたが山名までは判らない。

五色山からの尾根筋に出た地点で白根山が望めた。 眼下には五色沼が見えていた。

全面、氷が張った ”五色沼”に着く。
ここに出てくるはずではなかったので、道間違いに気付くが、このまま周回路を進むことにする

1時間50分で ”避難小屋”前を通過する。
まだ7時50分、時間はたっぷりある。
白樺林を抜けると前方に見えている岩峰に取り付く。
この後、この斜面を滑落することになった。
滑落した斜面を登り直すと、山頂下にある小さい池に出た。
池には薄氷が張っていた。 火口壁から少し下って対面の山頂へ登り返す。
3時間10分を要して ”日光白根山”(2,484m)に着く。
山頂手前にて滑落のハプニングがあり時間を費やしてしまった。
一緒に出発した65歳のおじいさんが登って来たので写真をお願いする。
おじいさんと呼びと怒られそうな元気な人だった。
山頂より菅沼方面を見る。 天気は最高。
有名山が見えている様だが、”燧ヶ岳”しか同定出来ていない。
”阿弥ヶ池”側のコースは岩の合間を縫って降りてくる。
降り始めの急斜面はアイスバーンになっており
滑落した後だけに結構怖かった。
寄居山温泉は、 一見、豪華そうに見えたが入浴料500円相当以下の
設備しかなかった。 客は我々だけで貸切状態だった。
山口県から辰巳さん
  65歳のベテランじいさん(辰巳さん)は、一旦家を出ると6〜7山は登って帰るらしい、
それを年に3〜4回繰り返していると言うのですご
い人だなぁーと関心する。 北アルプスを1週間縦走したこともあるらしい。 百名山を周っていると、とんでもない達人に会えるのが楽しい。
1時間30分にて下山を終える
  登りに使う予定だったルートから飛ばして下山すると短時間で登山口に着いてしまった。
帰路に付く
  特に登りたいとは思わなかった筑波山廻りで、走行距離ばかり稼ぐ結果となってしまったが、3山で今回の遠征を終えて帰路に付く。
日本百名山に戻る

群馬県利根郡片品村大字東小川
深田久弥著の「日本百名山」から
  この山について一番詳しく書かれていた一番古い本は、植田孟縉の『日光山志』第四巻(天保七年刊)
であって、その記事では、外輪山の一峰を前白根山、その西の本峰を奥白根山と呼んでいる。
普通、日光白根山と呼んでいるのは草津の白根山と区別するためである。
登山口からしばらくは遊歩道的な気持ちの良い雪原を歩く。
左手、五色山からの尾根筋を越えると
白根山、五色沼の展望が一気に開けた。
登山口から1時間半にて ”五色沼”に着く。 後は ”白根山”の岩峰。
2004年度の関東の山遠征。
04/28 04/29 04/30
筑波山 男体山 日光白根山
本来、登りに使う予定だった下山路を見る。
下り始めは急斜面に雪が乗っており、危険そうに見えた。
滑落をしてしまう。
  右上写真の斜面に取付き直登するのだが、上部に行くに従い斜度がきつくなり、合せて残雪も緩くなってくる。 軽アイゼンではグリップ感が弱く、左足元が崩れ、右足に力を入れた瞬間、右足元も崩れ、かなりのスピードで約100m程を滑落してしまう。 滑落途中に岩、木立にぶつかりそうになるが、進路を変えて激突は免れた。 緩い斜面で止まることが出来たが、先が崖っぷちだったら命を落としている。 下から相棒を呼ぶが、既に登り終えている様で幾ら叫んでも答えてくれない。
滑落した斜面を再度登り返すのが、又、滑落するのではの思いで本当に怖かった。
日本百名山』   軽アイゼンで初めての雪面滑落を経験する。
にっこうしらねさん
Road Map :中禅寺湖からR120を西進し、菅沼キャンプ場からの登山口に至る。
Route Map:菅沼から五色沼、避難小屋を経て山頂へ。下りは弥陀ヶ池側から菅沼へ。
谷間なので両側の崖からの落石が多かった。
帰宅後、八本爪アイゼンを購入したのは言う間でも無い。
今日の温泉。
2023年11月5日改定